カフェの無料Wi-Fi で会社の Slack を開く。
新幹線の Wi-Fi で社外秘の見積書を上司に送る。
ホテルのロビーWi-Fi で経費精算システムにログインする。

在宅勤務の現実は、家のデスクだけで完結しません。外出先で会社の情報資産を扱う場面が必ず発生します。そのときに「無料Wi-Fi=丸見え」になっている状態を、毎日続けていいのか——本記事の出発点はそこです。在宅勤務歴5年、編集部Kも数十回ヒヤッとしました。

広告リンクを含みますが、ここで紹介する3社は「会社支給VPNでカバーされない領域を補う」視点で選んでいます。

奥さん
奥さん 騒音被害者

カフェでパソコン開いて仕事してるの、私も同僚も普通にやってるけど……それって会社の情報、漏れたりしないの?

編集部K
編集部K NOISE HUNTER

そこが盲点なんです。在宅勤務の話題は「家の中の音」とか「椅子」とか物理環境ばかり議論されますが、
実は「家の外で仕事する時間」の情報漏洩リスクはほとんど対策されていません。
そこを年¥4,000で塞ぐのがVPNです。

なぜ在宅勤務でVPNが必要なのか——3つの実害シーン

「VPNなんて意識高い系の話」と思っている方こそ、次の3シーンを想像してください。

シーン1:カフェ・ホテルの無料Wi-Fi での通信傍受

暗号化が弱い公衆Wi-Fi では、同じネットワークに繋いだ他のユーザーが、あなたの通信パケットを覗くことが理論上可能です。HTTPS 通信は中身までは見えませんが、「どのサービスにいつ繋いだか」という通信メタデータは読み取られます。社外秘プロジェクト名がURLに含まれているSaaSにアクセスしている事実だけで、競合に情報が流れる可能性があります。

シーン2:偽Wi-Fi アクセスポイント(Evil Twin 攻撃)

カフェ名と同じSSID(例:「Starbucks_Free」)の偽アクセスポイントを攻撃者が立てる手口は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が継続的に注意喚起しているリスクです。通信を全て攻撃者のPC経由で中継する「中間者攻撃」が成立すると、ログイン情報が抜かれる可能性があります。VPN を有効にしておくと、たとえ偽Wi-Fi に繋がっても通信は暗号化されたまま外に出ます。

シーン3:海外サブスク・地域制限サービスへの正規アクセス

在宅勤務とは別軸ですが、海外駐在経験者・海外サブスク契約者の「日本のNetflix を海外滞在中に見る」「海外のニュースサイトに正規アクセスする」用途でもVPNは使われます。情報漏洩リスクとは別の「個人の便益」としても継続利用しやすい。

VPNには種類がある:個人向け/法人向け/固定IP系の違い

VPN と一括りに語られがちですが、用途別に3種類あります。本記事の対象は「個人向けVPN」です。

  • 個人向けVPN(本記事の対象):NordVPN / ExpressVPN / MillenVPN 等。「自分の端末→VPNサーバー→インターネット」の経路を暗号化する。月¥300〜¥1,000の個人サブスク
  • 法人向けVPN:会社の社内システムに外部からアクセスするための専用VPN。会社支給のVPNクライアントを使う。本記事の対象外
  • 固定IP系VPN:インターリンク「マイIP」のような、出口IPを固定する用途。法人の業務システム連携や、海外SaaS の許可IP リスト用途で使われる。本記事の対象外(別記事で取り上げ予定)

【本命】在宅勤務×VPN 主要3社比較

第1位:NordVPN——迷ったらこれ

  • 本社所在地:パナマ(プライバシー法制が利用者寄り)
  • サーバー数:世界60カ国超・5,000サーバー以上
  • 暗号化:NordLynx(WireGuard ベース)・AES-256
  • 同時接続:6台
  • 返金保証:30日
  • 向いている人:在宅勤務でカフェWi-Fi も使う・海外サブスクも見る・複数端末で使いたい人

業界トップシェアで、PC・スマホ・タブレット・ルーターまで6台まで同時利用可。家族のスマホもまとめて保護できる。NordLynxプロトコルの高速通信で Web会議の遅延も気にならないレベル。海外サブスク(Netflix 等)の地域切り替えにも実績がある定番の本命です。

👉 NordVPN

第2位:ExpressVPN——速度・接続安定性の最有力

  • 本社所在地:英領ヴァージン諸島(プライバシー法制が利用者寄り)
  • サーバー数:世界94カ国・3,000サーバー以上
  • 暗号化:Lightway(独自プロトコル)・AES-256
  • 同時接続:8台
  • 返金保証:30日
  • 向いている人:海外出張が多い・速度を最優先・海外サブスクが本業務にも関わる人

対応国数が業界最多クラス(94カ国)で、海外出張・海外滞在用途で最も信頼できるのがExpressVPN。独自プロトコル Lightway は実効速度の優位性が公開ベンチマークで報告されており、Web会議・大容量データ送信でも体感差は最小レベル。価格はNordVPNより1〜2割高めですが、海外用途の比重が大きい人にとっては必要経費です。

👉 ExpressVPN

第3位:MillenVPN(国産)——日本語サポートの安心感

  • 運営会社:アズポケット株式会社(日本企業)
  • サーバー数:世界72カ国・1,300サーバー以上
  • 暗号化:WireGuard / OpenVPN・AES-256
  • 同時接続:10台
  • 返金保証:30日
  • 向いている人:英語サポートに不安がある・国内決済・領収書発行(経費精算)を求める人

日本企業運営・日本語チャットサポートが最大の差別点。海外VPNの英語サポートに不安がある人、トラブル時の問い合わせ・領収書発行を日本語でスムーズに済ませたい人に向きます。サーバー数では海外勢にやや劣りますが、国内利用・カフェWi-Fi の暗号化用途では十分実用範囲です。

👉 MillenVPN専用サーバー

選び方:用途別に決めるシンプルな3問

  1. 外出先で仕事する頻度は週何回?
    → 週3回以上+海外出張あり:ExpressVPN
    → 週3回以上・国内のみ:NordVPN
    → 週1回程度:MillenVPN または NordVPN
  2. 海外サブスク(Netflix海外版・BBC・Hulu US 等)を見ますか?
    → 見る:NordVPN または ExpressVPN(サーバー数・対応国数で優位)
    → 見ない:どれでも実用範囲
  3. 英語サポートに不安・領収書を経費で落としたい?
    → Yes:MillenVPN(日本企業・日本語サポート)
    → No:海外勢で問題なし

VPNでよくある誤解:これは知っておきたい3つの落とし穴

誤解1:VPN にすれば何でも安全

VPN は「通信経路の暗号化」を提供しますが、「フィッシングサイトに引っかかる」「マルウェアに感染する」「弱いパスワードを使う」といったエンドポイント側の問題は防げません。VPN を入れても、怪しいリンクをクリックすればアウトです。VPN は情報漏洩対策の1要素であり、全部ではないことを忘れずに。

誤解2:「ノーログポリシー」なら絶対安心

VPN事業者の「ノーログポリシー」は事業者自身の主張であり、第三者監査を受けていなければ実態は外部から検証できません。NordVPN・ExpressVPN は独立監査人による定期監査を公開しています(PWCや Deloitte等)。事業者選びの判断材料として「監査の有無」も確認しましょう。

誤解3:会社支給VPNがあれば個人VPNは不要

前述のFAQでも触れた通り、用途が違うので両立します。会社VPN を切ったときの公衆Wi-Fi 通信は素通しになるため、その隙間を個人VPN で埋めるのが情報漏洩リスク最小の構成です。

よくある質問

Q. カフェの無料Wi-Fi、本当に危険ですか?「みんな使ってるじゃないか」と思うのですが
A.

危険レベルは「店舗とWi-Fi仕様による」が正確な答えです。WPA3 暗号化+HTTPS 限定の現代的設定なら大半のリスクは下がります。一方、暗号化なし(オープン)のWi-Fi や、店舗側が中間にプロキシを置いている公衆Wi-Fi では、Slack のアプリ通信が傍受される・偽サイトに誘導される可能性があります。在宅勤務で会社の機密情報を扱う以上、「カフェに入るたびに毎回設定を確認する」のは現実的でないため、VPN で常時暗号化するのが工数最小のリスク回避策です。

Q. VPNを使うとインターネットが遅くなりませんか?
A.

一般的に 10〜30% の速度低下があります。NordVPN・ExpressVPN は最新の WireGuard(または独自高速プロトコル)対応で、Web会議や動画視聴では体感差が出ないレベルまで速度が出ます。MillenVPN はサーバー数が少ないため、混雑時間帯にやや遅くなる傾向がありますが、Slack・メール・通常のWeb閲覧では問題ありません。

Q. 会社支給のVPNがあるので、個人VPNは不要では?
A.

用途が違うので両立します。会社VPNは「社内ネットワークへの接続」用途で、社外Webサイト閲覧時はオフにする運用が一般的。一方で個人VPNは「カフェWi-Fi等の公衆通信を暗号化する」用途。会社VPNを切った瞬間、カフェWi-Fi の通信は素通しになります。両方使うのが情報漏洩リスク最小です。

Q. 無料VPNを使ってはダメですか?
A.

結論として無料VPNはおすすめしません。理由は3つ。①通信ログを広告会社に売っているサービスがある、②帯域制限が厳しくWeb会議実用に耐えない、③一部のサービスは過去にマルウェア混入事例あり。年¥3,000〜¥4,000 の有料VPN は情報漏洩リスクの保険料と考えれば妥当な投資です。

Q. 海外サブスク(Netflix海外版・BBCなど)を見るためのVPNとしてはどれが良いですか?
A.

ExpressVPN または NordVPN です。両社とも世界60カ国以上にサーバーを持ち、ストリーミングサービスの地域制限解除に対応するサーバーを継続的に運用しています。MillenVPN は日本国内向け特化のためサーバー数で見劣りします。

Q. 中国・東南アジア出張用のVPNはどれを選べばいいですか?
A.

中国出張なら ExpressVPN または NordVPN の中国対応サーバーを使うのが現実的です。中国当局のVPN規制は流動的で、定期的にブロックされるサービスもあるため、出張前に最新の動作状況を公式サイトで確認してください。

まとめ:年¥4,000の保険で、外でも仕事に集中できる

在宅勤務の生産性向上は、家の中の防音・通信に意識が向きがちですが、家の外で仕事する場面の安全性も同じくらい重要です。情報漏洩は「起きてからでは取り返しがつかない」コストの代表格で、年¥3,000〜¥4,000 の保険として VPN を持っておくのは合理的な選択です。

  1. 迷ったらNordVPN(コスパ・サーバー数・速度のバランス)
  2. 海外出張・海外サブスクが本業務に関わる人はExpressVPN
  3. 英語サポートに不安・日本企業の安心感を求めるならMillenVPN

3社とも30日返金保証があるので、まず1社契約してみて使い心地が合わなければ乗り換える、で問題ありません。月¥300〜の世界なので、悩む時間より試す時間のほうが早いです。

編集部K
編集部K NOISE HUNTER

VPN は地味で派手さがないけど、ヒヤッとした時に「入れててよかった」と思う系の投資です。
Web会議の通信を整えるのと同時に、外出時の安全も整えておくのが、在宅勤務歴5年の僕がたどり着いた結論です。